放課後デイは飽和しているか?

放課後デイを開業しようと考える方のよくある疑問の一つが、

放課後等デイサービスは、すでに飽和しているのではないか

ということです。

この問題については、
ことあるごとに書いてきましたし、お話ししてきました。

 

たしかに、事業に参入を考えるときの視点としてはあるのだと思います。
事業を始めようと考えるときに、需給のバランスの検討は必須でしょう。

 

しかし、一方で、ラーメン屋の開業を検討する時に、最初に考えるべきことはラーメン屋が飽和しているかどうかでしょうか?

ケーキ屋で、ケーキ屋が市場に飽和しているかどうかを最優先で調べるでしょうか?

 

放課後デイの飽和が最初に気になってしまうというのは、

放課後デイで提供するサービスで他の事業者との差別化が難しい

という考えが基本にあるということでしょう。

 

万一、放課後等デイサービスが現在飽和していないとしても、いずれ飽和すると考えるべきです。

 

事業を継続することが前提であれば、

現在の飽和の状況よりも、
どのようなサービスで先行する放課後デイとの差別化を図ることができるかを検討するべきではないでしょうか?

 

ラーメン屋が味で差別化を考えるように。

現在、放課後デイの運営をされている方は、

提供するサービスのクオリティ(つまり療育)で、勝ち続けることができるかどうかが課題です。

 

評判のラーメン屋の行列は、

必ずしも、いつまでも続くわけではない
ということを知っておくべきです。

 

放課後デイ事業に限らず、

競合の状況は、たえず変化を続けるものです。

放課後デイの運営支援へ移行します

放課後デイが増加して、
放課後等デイサービスという事業についての主な課題は、
開業から運営に移行していると感じます。

児童発達支援管理責任者を中心としたスタッフの問題、療育メニューの問題、行政の監査対応上指摘された問題への対応など、日々、様々に課題は発生します。

しかし、最も大きな課題は、「集客」つまり放課後デイの利用者を如何に集めるかという問題ではないでしょうか。

開業時期によって問題の深刻さの度合いは異なるように見えますが、事業を長期にわたり継続することを考慮すると、多くの事業所は同じ問題を抱えていると言わざるを得ません。

継続的に放課後デイの集客が成功するためには、2つの要素が同時にうまく行っていなければなりません。

1.集客(利用者募集)の仕組み
2.選ばれる放課後デイとしてのサービスのクオリティ

当たり前のことのように思われるかもしれませんが、

あなたの放課後デイでは、
集客を仕組化できていますか?

放課後デイの集客の基本は、紹介です。
しかし、「紹介」を仕組化するのは容易ではありません。

常に、あなたが保護者に働きかけることができなければ、仕組みとはなりえないことを知るべきです。

他の放課後デイとの併用を安易に受け入れてしまっていませんか?

先行して開業した放課後デイは、ある程度、後発の放課後デイとの併用を受け容れざるを得ません。

しかしながら、「併用は当たり前のこと」として受け入れてしまっていると、自らの施設が「選ばれなく」なって、他の放課後デイの利用頻度が上がってしまうことまで受容してしまいます。

自らの施設が、「選ばれて」いるかということを注視し、選ばれる放課後デイであり続けるために為すべきことをすることが必要です。

放課後デイで行うこと・療育プログラム

保護者の放課後デイに対する期待は、
複数のものがりますが、

子どもたちの状況が改善することに対する期待は、
最も大きなものだと思います。

それに応えるために、
児童発達支援管理責任者は、
お子さんごとに、支援計画を作成しレビューします。

これが、高齢者に対する介護の場合と、最大の相違点ではないでしょうか。
むろん、放課後デイに対する役割期待には、介護と同様にレスパイトもあります。
また、高齢者の場合にも、状況の改善を望まないわけではありません。

 

しかし、お子さんの場合とお年寄りの場合では、期待の度合いが異なります。

 

その保護者の放課後デイに対する役割期待に応えられなければ、
「選ばれる」放課後デイとはなりえません。

 

そのために必要なことを、
放課後デイとして準備できているでしょうか?

あなたの施設は、
あなたがこれからつくろうとしている施設は、
どんな準備をしていますか?

 

「日々放課後デイで行うこと・療育のメニュー(プログラム)には、どんなものがありますか?」
というご質問を頂くことがあります。

様々なものを提供していますし、
メニューだけをコピーしても本質が伝わらないので、
基本的な考え方だけお伝えします。

 

それは、

個々の療育プログラム・メニューに目的を設定し、到達度の測定をきちんと行うことです。

 

子どもたちは遊びの中で成長していきます。
楽しむことで、集中して取り組むことができますし、
取り組むからこそ、コミュニケーションを体験することもできます。

遊びの中で多くのことを学んでいきますが、
そこに支援計画に沿った目的が設定されているからこそ、
子どもたちの成長を後押しすることが可能になるのです。

 

保護者のお子さんの成長に対する期待に応えることで、
初めて、「選ばれる」放課後デイとなることができます

TVゲーム

放課後等デイサービスで、
TVゲームを使っている施設があります。

よい悪いの話ではなく、
疑問をお持ちになる方もいらっしゃると思いましたので、
記事を書いてみようと思いました。

一般的には、あまり歓迎されることのないTVゲームですが、
放課後等デイサービスの療育の一環として用いられることがあります。

放課後デイに来るお子さんの中には、
様々な障がいのあるお子さんがいます。

発達障がいのお子さんの中には、
他社との関わりが苦手なお子さんが少なくありません。

遊びの中にもルールがあり、
それを守ることで、
自分も楽しむことができるということを学ぶことができます。

例えば、

時間を守り、
順番を守ることによって、
自分にもゲームをする順番が回ってくるということです。

また、視覚のトレーニングにつながる場合もあります。

たんに、時間をつぶすための道具としてではなく、
達成すべき目標を持って臨むことで、
TVゲームもまた、療育の道具として活用することができるのです。

放課後デイは遊ぶところ??

放課後デイでは、

多くの施設で、
子どもたちは
“遊んで”います。

遊んでいることについて、
保護者にも、
理解が十分でない場合があるようです。

かつては、
児童デイサービスでも、
レスパイトがメインでした。

私がお話ししたある行政の担当者は、
いまでも当然レスパイトがメインで十分との認識でした。

療育を理解しない人が行政の担当だと、
地域に暮らす方も気の毒です。

子供の成長する力を見くびられているようで、
悲しい思いをしました。

レスパイトも、
放課後デイの役割の一つです。

そう、

放課後デイで、
子どもが大いに楽しく過ごすことはよいことですし。

子どもたちが、
安心して楽しく過ごしている時間、
保護者の方が社会に参加できる状況をつくるというのは、
放課後デイの大切な役割です。

しかしながら、
放課後デイの運営者側は、
遊びの中に目標を定めていなければなりません。

子どもたちは成長する力を持っています。

放課後デイの
児童発達支援管理責任者、
指導員は、

子どもたちが遊びの中で、
どこまで伸びてきたか、
どこがうまくいかないか、

といった子どもたちの個々の状況を把握して、
対応することが可能な立場にいます。

それを存分に活かさなければなりません。