指導員の採用

放課後デイの指導員には、
特別な資格要件は求められていません。

むろん、
指導員に適したキャリアはありますが、
必須のものはないということです。

制度として定めのない理由はいくつか考えられますが、
それを探るのが本稿の目的ではありません。

 

資格やキャリアといった要件のない指導員の場合、
何を見て採否を決めるべきでしょうか?

 

私が最も大切だと考えるのは、
児童発達支援管理責任者との相性です。

なぜなら、

児童発達支援管理責任者が作成した
個別支援計画を実現するのが、
指導員だからです。

 

児童発達支援管理責任者が、
いくら効果的であるはずの個別支援計画を作成したところで、
現場でそれが実現されなければ、
まさしく「絵に描いた餅」になってしまいます。

 

指導員の役割を考えれば、
児童発達支援管理責任者が、
その採用に関わるというのは、
重要なことであると考えています。

 

 

ただ、一つ重要なことがあります。

児童デイサービスの施設数も、
放課後等デイサービスの施設の数も、
限られていますから、
じつは、児童発達支援管理責任者の資格要件を満たす人で、
実際に児童発達支援管理責任者の経験がある人は限られています。

 

一方、

指導員として、
児童発達支援管理責任者あるいは児童デイのサービス管理責任者を
見てきた人は少なくありません。

 

指導員としてのキャリアのある人を採用すべきか、
指導員としてのキャリアのない人を採用すべきか、

実際の採用の場面では、
大きな問題になることがあります。

 

 

指導員に要件がないからといって、
その採用が簡単なわけではありません。

 

私どものクライアントの場合、
オープニングスタッフの採用について、
お手伝いをするのはそのためです。

児童発達支援管理責任者の役割

児童発達支援管理責任者は、
個別支援計画を作成します。

お子さんと会い、
保護者の方とお話しをして、
一人ずつのお子さんに適した個別支援計画を作ります。

指導員は、
個別支援計画に則り、
子どもさんに療育を提供します。

児童発達支援管理責任者と指導員には、
異なる役割期待があります。

そのため、

児童発達支援管理責任者は、
管理者を兼務することはできますが、
指導員を兼務することはできません。

児童発達支援管理責任者でない管理者は、
指導員を兼務することも可能です。

制度として、
非常にうまく設計されています。

放課後等デイサービスにおいて、
児童発達支援管理責任者の果たす役割は大きく、
経営者はこの人選を間違えると、
思うような放課後等デイをつくることができません。

児童発達支援管理責任者が、
個別支援計画をつくり、
それに従って指導員が具体的に支援を行うわけですから、
放課後等デイのコンテンツは、
児童発達支援管理責任者にかかっています。

児童発達支援管理責任者にとっても、
考えの異なる経営者のもとでは、
十分に力を発揮することができません。

ところが、

放課後等デイサービスを事業として考える場合に、
児童発達支援管理責任者の確保は必須の要件ですから、
経営者もどうしても妥協しがちです。

児童発達支援管理責任者の方は、
まあ、いろいろです(笑)

いろいろの事情で、
職場を選ぶ人がいます。

児童発達支援管理責任者との相性が悪いために、
うまくいかない放課後デイをいくつも見てきました。

児童発達支援管理責任者の選定は、
放課後デイの経営者の大きな仕事です。

しっかりと方針を持って臨まなくてはなりません。